ブルゴーニュワインの騎士団の秋の例会が毎年京都で行われる。前回の出席から4年ぶりである。コロナ禍の影響で3年ほど例会は行われていなかった。金曜開催であるが前日木曜は私の休診日であり1日早めに京都入りをした。

年に数回京都に行くことがある。名刹を訪れたり、美味しいものを頂いたりして心の洗濯である。行くうちに馴染みの場所や店ができ、また行きたくなるのが京都の不思議な魅力であります。

前日午後に京都に入り、近くを散策し、夜は馴染みの割烹で食事となった。木屋町にある『とくを』という店で、気持ちの良い店主で話も弾む秋の松茸を存分に使ったお料理を頂戴いたしました。

 

          

翌日は西芳寺(苔寺)に伺ってみようと思い、一般公開はしていないので事前にハガキで参拝を申し込み、時間が指定されて見学となリました。10時の予約に間に合うようにホテルからタクシーで西芳寺に向かうとすでに開門を待つ人が何組かおられた。ちょうど良い季節柄であったが紅葉にはまだ早い時期ではあったが少し色づき始めた紅葉の木を外国人(多分西欧の家族づれ)が写真に収めていたりと、京都にも外国人御観光客が戻ってきたのを実感した。

さて、西芳寺は参拝の作法があり、まずは写経である。筆ペンを購入し庭に面した机の上に写経のお手本があり、それをなぞる形での写経であるが、寺院のお庭を見ながら静かに筆をとるというのは殊の外心地よいものである。

その後庭の散策が許される。庭は苔寺の名の通り、何種類もの苔が庭を埋め通しており古木の木立と陽の光の作る影と相待って絶妙な景色であった。

                       

 

さてメインテーマはブルゴーニュワイン騎士団の例会である。平安神宮会館で5時半から行われる。今回はブラックタイではなくダークスーツでの参加としました。京都例会では恒例の「一力茶屋」の女将の挨拶で始まり、舞妓、芸妓の踊と唄が披露された。中にどうやら顔馴染み?の芸妓(単に前回伺った時にお茶やバーで話をしただけですが)がいるではありませんか・・

踊りが終わり芸妓衆がテーブルを回ってきた時に声をかけると、案の定、件の芸妓でありました。4年前は舞子で未成年、アルコールも飲んではいけない年頃であったのが今や姉さんと呼ばれる、立派な芸妓になっておりました。

本題のワインは、幹事の方がとても素晴らしいワインを揃えていただき、美味しい料理とベストなマリアージュでありました。とっておきはDRC(Domaine De

La Romanée Conti)La Tache 1983のダブルマグナム(3l)である。この貴重なワインはシュバリエのメンバーでもあるリゾートトラストの代表伊藤氏が以前購入したものを開けるチャンスがないのでこの機会にとお持ち頂いたものを参加者80名に少しずついき渡るように分けていただきました。香りはブルゴーニュ、ピノノワールの香りで素晴らしいものでしたが、味はというと古酒の類になり期待したほどのことは感じられませんでした。私の鈍感な舌の結論ではありますが・・・

とはいうものの京都の会はとても和やかに進められ、フランス総領事や俳優の辰巳琢郎氏の挨拶もあり楽しく会は終了となりました。  

翌日はちょうど「時代祭」の日でありましたので、少しだけ雰囲気を味わい、この時期の特別公開されている千利休の菩提寺である大徳寺「聚光院」の狩野永徳による障壁画(国宝) を拝見することにいたしました。少人数に分かれて解説付きでの案内でしたが、その花鳥図は圧巻でありました。別室には千住博氏の「瀧」の障壁画があり、そちらの部屋は茶会などで実際に使用されているとのことでした。こちらは鮮やかな青の障壁画で瀧の水の動きが感じられるすばらしい色使いでした。

今回の京都の旅は素晴らしいワインと国宝に接する旅ではありました。

次回は何を目当てに訪れましょう ・・