久し振りに下町散歩に出かけました。今回は「鶯谷」台東区根岸あたりです。鶯谷を降りてまずは「おそれ入谷の鬼子母神(眞源寺)」にお参りを致し、私の好きな小説の一つ「坂の上の雲」に出てくる正岡子規の住居跡を尋ねました。
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おそれ入谷の鬼子母神 「子規庵」は鶯谷からほど近い民家の密集した(・・というより周囲はラブホテルが沢山ある路地を入っていったところでちょっと困惑)ところにあり、ごく普通の民家でありました。
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あっ カップルが・・ノーコメント
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子規庵入り口 左のポスターがちょっと気になります 子規終焉の6畳間と句会などが開かれた続きの8畳間から小園を眺めると庭の草花が見ることができ、床に伏したまま句を書いた当時の情景が偲ばれます。実際の建物は空襲で焼け、現在のものは再現されたものですが、NHKのドラマで出てくる場面が思いおこされました。
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子規の俳句は「写生(写実)」にこだわり、身近なものを的確にとらえたものが沢山あります。子規庵のパンフレットにある絶筆三句 「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」 「痰一斗糸瓜の水も間にあはず」 「をととひのへちまの水も取らざりき」 は6畳間の縁側にある糸瓜棚を見ながら読まれた句であろうと思われますがそんなことを思いながら庭を見ると死の間際まで句を詠んでいた子規の思いがひしひしと伝わってくる気が致しました。皆様是非一度尋ねてみられると良いでしょう。
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笹の雪です。下足番がいる料理屋さんでした
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さて、文学的な感傷に浸るだけのお散歩ではありません・・。近くには「笹の雪」という豆腐料理の店があるではありませんか。体も冷えて参りましたのでちょっと一杯と「笹の雪」に向かいました。以前から知ってはおりましたが初めて尋ねるお店なのでちょっと緊張いたしましたが、想像と違い大きな店構えで入り口には下足番のおじさんが2人ほどおり靴を脱いで上がる大きな店でした。幾つか卓が並んでいる広間に通され、その一つに案内されました。何故かいきなり小さな滝があるような岩作りの庭があり、それを眺めながらのお食事ということになりました。とても寒い日でしたので当然体を温めるべく湯豆腐定食で熱燗となりますね・・。名物の「雲水」(ゆばで海鮮を巻いた豆乳仕立てのお料理)もついておりちびちびと2合ほどのお酒を頂き体もほかほか温まりましたので、赤い顔をして散歩再開です。「笹の雪」の近くには「玉勝」というちゃんこ鍋屋さんもありそこもおすすめです。この近くにはおいしいものが頂ける店が結構あるんです。 ぶらぶらと日暮里方面に歩くと羽二重団子ののれん発見(元からあることは知ってはいるのですが・・表現上ちょっと偶然発見という言い方をしてみました・・。だんだん書くのも手慣れてきて小賢しいですね)、ここは当然左党の私でもちょっと立ち寄ることと致しました。休日の昼間、店先で写真を撮るグループなどちらほらおり、中はやはり女性グループが沢山見られました。二種の団子とお茶のセットで462円也・・。おいしい食事の後の甘いものも良いものですね。
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羽二重団子を出て日暮里に向かい、京成線の跨線橋を渡るとJR日暮里駅、その向こうは谷中の墓地、私の母校の近くです。ぶらぶらと谷中の寺町あたりを歩けば、それは「坂の上の雲」から「鬼平犯科帳」の世界にひとっ飛びになり、千駄木・根津辺りにも足を伸ばそうかと思いましたが、何しろ寒い日でしたのでそれは次回にし、JRで東京駅方面へ逆戻りと致しました。 次の目的は日本橋高島屋でのお買い物、最近仕舞ってあった着物を引っ張り出して参りまして正月に着物を着て出歩くと、結構きりっと締まってなかなか良い気持ちでした。そこで、ちょっと小物を買いに高島屋呉服売り場へ立ち寄って、気づけばもう辺りは薄暗く、本日のお散歩はそろそろお終いと相成りました。 下町のおいしいものと熱燗で一杯の一日でした。