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病気の一覧

病気の一覧

よく見られる症状の写真と説明が載っています。

内痔核

歯状線より上方にできる静脈瘤で、排便時の強いいきみなどによって、支持組織がゆるみ脱出してくるようなもの。所謂、「いぼ痔」で、排便時の出血に際し痛みを伴わないことが多い。程度が進むと、排便時に脱肛を生じることもあり、元に戻らなくなると嵌頓痔核と称する状態になることもあります。

治療方法

原則的には保存的に坐剤、軟膏等を使って自覚症状の改善をはかります。脱出や出血を伴い、保存的な治療が無効な場合に手術療法となります。実際に手術療法が必要な場合は15から20%ほどです。手術療法も輪ゴム結紮術や硬化療法などの比較的簡単な処置法から結紮切除術と呼ばれる根治的な療法まで色々な方法があり、痔核の程度によって選択されます。

裂肛

いわゆる「切れ痔」という状態で、歯状線より外側の肛門上皮という部分の裂創をいいます。肛門上皮は痛覚があり排便時に痛みを伴います。原因は便秘による硬便などによることが多い。慢性化すると裂創付近の炎症によって肛門ポリープやスキンタグと呼ばれる皮膚のたるみを形成します。また、潰瘍形成を繰り返していると、肛門狭窄となります。

治療方法

保存的に坐剤、軟膏などで治療すると同時に排便状態を改善させるのが原則で、慢性化して肛門潰瘍や肛門ポリープあるいは肛門狭窄を来たしたようなものは、手術適応となります。手術は肛門括約筋の一部を麻酔下に切開して、括約筋の緊張を取る、側方皮下内括約筋切開術をおこないます。肛門狭窄の強い場合は更に皮膚弁移動術を追加することもあります。

痔瘻

歯状線付近に開口する肛門線の感染症から、瘻管を形成して肛門の近くに膿の排出口を形成した状態。比較的単純な経路で瘻管を作ることが多いが、時として、膿の入口と出口が遠く離れて複雑な経路をたどることがあります。急性期は肛門周囲膿瘍とよばれる時期で、痛み、腫れ、発熱などを伴います。

治療方法

痔瘻は手術療法が原則で、原発口といわれる膿の入り口と、原発巣といわれる膿の貯まり、二次口といわれる膿の出口を外科的に処置する必要があります。痔瘻の場所や深さに応じて最適な術式を選択して治療を行います。原則日帰りでの手術が可能ですが、痔瘻の状態によっては入院での手術をおすすめする場合もあります。

血栓性外痔核

排便時の強いいきみやスポーツなどで肛門への過度の負担がかかり、その結果生じる肛門入り口付近にできる血栓。痛みを伴い、肛門にしこりを触れます。

治療方法

症状の軽いものは座薬等で保存的に治療を行いますが、症状の強いものは外来にて局所麻酔をして血栓を除去すると痛みが取れて早期に治癒します。

嵌頓痔核

内痔核が脱出し元に戻らなくなった状態で痛みが強い。急性期は肛門部を温め、坐剤、軟膏、鎮痛剤などで保存的に治療をします。

治療方法

保存的に肛門部を温めるなどし、坐剤軟膏を使って炎症を抑えます。2週間もすると小さくなり、その時点で手術療法を行います。急性期の手術は痛みも強く、出血も多くなりますので症状が落ち着いてからの手術が望ましいです。

直腸脱

排便時に直腸全層が肛門から脱出して しまうもので肛門括約筋の緊張が 弱いひとに見られます。5cmも10cmも 脱出する場合があり、下着がいつも汚れたり、排便後は手で戻さないと元に戻りません。

治療方法

手術療法が必要です。脱出の程度に応じて適切な手術方法を選択して治療を行います。病状によっては入院での手術をおすすめさせて頂きます。

肛門周囲腫傷

肛門や肛門周囲に痛み、腫れ、発赤(赤らみ)がおこり、発熱を伴います。痛みは腰をかけられない程になります。

治療方法

膿瘍(膿の貯まり)を切開して排膿することが必要です。抗菌薬をのんでいただいて炎症が治まってから、痔瘻が関連しているようであれば手術加療をおすすめさせて頂きます。

肛囲湿疹

肛門周囲にできる湿疹で多くは非特異的なものですが、時としてカンジダによるものやウイルスによる感染症のこともあります。

治療方法

肛門周囲の湿疹ですので、清潔にした後、軟膏を塗って頂いて治療いたします。時に、真菌症である場合もありますので適切な軟膏を塗っていただきます。治療中は辛いものやアルコールは避けて頂き、石けんを使用しないようにしてください。

尖圭コンジローマ

ウィルス感染が原因となる感染症であり、一ヶ月から数ヶ月の潜伏期間の後に発症します。他人の感染を引き起こす可能性があるので治療が必要となります。

治療方法

外用薬を使用しての治療を行い、効果が認められない場合は手術をします。

見張りいぼ(スキンタグ)

見張りいぼ(スキンダグ)肛門の外側に出来る皮膚のたるみで、多くの場合、慢性化した裂肛の炎症が周囲に及んで出来ます。

治療方法

清潔に保つ事が大切ですが、どうしても気になる場合には外科的に切除します。

肛門ポリープ

裂肛が慢性化して生じる肛門内の突起。しばしば大きくなり、排便時肛門外へ脱出するようになることがあります。炎症の結果によるもので、悪性腫瘍になるものとは異なります。

治療方法

大きさによっては単に結紮するだけで切除できるものもありますが、麻酔下での結紮切除が必要な場合もあります。

直腸ポリープ

肛門の奥の直腸にポリープがいぼ状に生じるもので大きくなるとガン化することがあります。小さいうちは無症状ですが大きくなると血液、粘液、粘血などが便に付着してくるようになります。しかし、大きくなっても症状がないことが多いため、定期的に検診をうけることが大切です。

治療方法

ポリープは必ず大きくなるとは限りませんが、大きくなる様なものは悪性化する可能性も高くなります。内視鏡的に切除するのが一般的です。外来で十分ですが、入院して行う場合もあります。

直腸がん

排便時の出血が特長ですが、便にすじ状に血液が付着したり、排便回数が増えたりすることがあります。痛みを伴うことは少なく内痔核の出血であると思っていて、その奥に直腸癌が潜んでいたということもあります。ある程度の年令になったら大腸の検査は定期的にするようにしましょう。

治療方法

進行した病変に対しては周囲のリンパ節も含めて、腫瘍からの十分な距離を離して切除を行います。がんの部位によっては一時的もしくは永久的に人工肛門となる場合がありますが、現在は放射線治療や化学療法を併せた集学的治療により肛門機能を温存した手術が可能な場合もあります。

直腸炎

排便回数が増え粘血便を伴うようなことがあります。非特異的な炎症である場合もありますが、潰瘍性大腸炎やクローン病という大腸の炎症性疾患の初期症状であることもあります。内視鏡検査などを行い、確定診断には組織検査が必要です。

治療方法

原因は様々あるため、細菌学的検査や病理学的検査を行い原因を特定します。それから座薬や内服薬などで治療します。

大腸ポリープ

ポリープにはいくつか種類があり、一部のものは悪性化し大腸がんとなるものがあります。定期的な大腸内視鏡検査で早期に発見し、治療を行うことが大事です。

治療方法

通常は大腸内視鏡検査時に治療を行いますが、大きさや病変の性状によっては入院施設での治療をおすすめすることがあります。

潰瘍性大腸炎・クローン病

慢性的に消化管に炎症を生じる原因不明の疾患を炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)といい、主に潰瘍性大腸炎とクローン病などが含まれます。潰瘍性大腸炎は多くが直腸から連続して大腸を中心に炎症を起こしますが、クローン病は腸管のどこにでも炎症を起こすことがあります。排便の回数の増加や、排便時の出血などを契機に、内視鏡検査で診断されることが多く、近年患者数が増加しています。

治療方法

診断がついたら内服薬や座薬などの局所的な薬剤で治療を開始しますが、場合によっては入院での点滴などで治療を行うこともあります。病状によっては手術が必要になることもあります。ストレスを避けたり、食事内容にも注意が必要です。

大腸アメーバ

大腸の赤痢アメーバの感染による腸炎で、粘血便が頻回となり下痢、腹痛を繰り返します。比較的多いのが東南アジアなどへの渡航歴があり、水などを飲んで感染することがあるようです。また、男性同性愛者によっても感染することがありHIV感染によるAIDSなどの腸炎と鑑別が難しいことがあります。

治療方法

フラジールという薬の内服治療が有効です。

大腸憩室症

大腸の内壁の一部が外側に向かって飛び出し、袋状になったもので、通常は無症状ですが憩室部に炎症(憩室炎)や出血を起こすこともあります。憩室炎を起こすと腹痛の原因になります。

治療方法

憩室がたくさんできていても症状がなければ治療の必要はありません。憩室炎を起こしたり、出血がある時は、抗生物質や止血薬、鎮痛剤を使用します。

血管腫

非常に稀な疾患です。
出血や腸閉塞、腸重積などで発見される場合があります。

治療方法

小さいものは内視鏡を用いた治療を行うこともありますが、腸管の切除などの手術が必要な場合もあります。